
「この部屋、10平方メートル(10㎡)って書いてあるけど、一体何畳なんだろう?」
一人暮らしのワンルームや新しい寝室を探しているとき、
多くの方がこの「平方メートルと畳」の換算で戸惑います。
数字だけ見ても、実際の広さをイメージするのは難しいですよね。
実は「畳」の大きさは地域によって異なり、
それを知らないと「思ったより狭かった…」と後悔してしまう可能性も。
- 10平方メートル(㎡)は、不動産規約に基づくと約6.17畳。一般的には「約6畳」と覚えておけばOK!
- 注意点として、畳のサイズは京間や江戸間など地域によって広さが異なる。
- 10平米の広さは、一人暮らしのワンルームや寝室、書斎に最適なサイズ感。
- レイアウトを工夫すれば、限られたスペースでも快適な生活は十分に可能。
- 物件選びでは、専有面積に含まれる範囲とデッドスペースの有無を内見で確認することが重要。
10平方メートルは何畳?結論は「約6畳」です!
まず結論からお伝えします。
不動産のルールに基づくと、10平方メートル(㎡)は約6.17畳です。
実用上は「10㎡≒6畳」と覚えておけば、
部屋の広さをイメージする際に大きく間違うことはありません。
物件情報に「10㎡」と記載があれば、
「だいたい6畳くらいの部屋なんだな」と捉えて大丈夫です。

なぜ「1畳=1.62㎡」で計算するのか?
この「約6畳」という数字は、不動産業界の公式ルールに基づいています。
不動産公正取引協議会連合会が定める「不動産の表示に関する公正競争規約」では、
部屋の広さを畳数で表示する際、「1畳あたり1.62平方メートル以上」という基準で計算するよう定められています。
- 計算式: 10㎡ ÷ 1.62㎡/畳 ≒ 6.17畳
このルールのおかげで、私たちはどの物件情報を見ても、
ある程度統一された基準で広さを比較できるのです。
参照:[不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」]
【早見表】平米数と畳数の簡単換算リスト
10平方メートル以外の広さも知っておくと、物件探しの際に非常に便利です。
よくある平米数を畳数に換算した早見表を作成しましたので、ぜひご活用ください。
平方メートル(㎡) | 畳数(約) | 広さの目安 |
---|---|---|
5㎡ | 約3.0畳 | ウォークインクローゼット、小さめの書斎 |
8㎡ | 約4.9畳 | ややコンパクトな寝室 |
10㎡ | 約6.1畳 | 一般的なワンルーム、寝室 |
12㎡ | 約7.4畳 | 少しゆとりのあるワンルーム |
15㎡ | 約9.2畳 | 家具を置いても余裕のある広さ |
20㎡ | 約12.3畳 | 1Kの居室部分、広めのワンルーム |
25㎡ | 約15.4畳 | 1DK、コンパクトな1LDK |
30㎡ | 約18.5畳 | 1LDK、二人暮らしも可能な広さ |
【要注意】「畳」のサイズは全国共通ではない!地域差を解説
「10平米は約6畳」と覚えておけば基本的には問題ありません。
しかし、ここで一つ重要な注意点があります。
それは、「畳」そのもののサイズが、実は全国で統一されていないという事実です。
どういうことかと言うと、同じ「6畳」と表記されていても、
使われている畳の種類によって実際の部屋の面積(平方メートル)が異なる場合があるのです。
京間、江戸間…代表的な4種類の畳サイズ
主に使われている畳のサイズは、大きい順に以下の4種類です。
この違いを知っておくと、物件の内見時に役立ちます。
種類 | 1畳の面積(㎡) | 6畳の面積(㎡) | 主なエリア |
---|---|---|---|
京間(きょうま) | 1.82㎡ | 10.92㎡ | 関西、中国、四国地方など |
中京間(ちゅうきょうま) | 1.65㎡ | 9.90㎡ | 中京地方、東北の一部など |
江戸間(えどま) | 1.54㎡ | 9.24㎡ | 関東、東北、北海道など東日本 |
団地間(だんちま) | 1.44㎡ | 8.64㎡ | 全国の公団住宅、アパートなど |
この表を見ると、最も大きい京間の6畳(約10.9㎡)と、
最も小さい団地間の6畳(約8.6㎡)では、
約2.3㎡(約1.4畳分)もの差があることが分かります。
「同じ6畳なのに狭い…」を防ぐには?
関西出身の方が東京で「6畳」の部屋を内見した際に、
「実家の6畳より明らかに狭い…」と感じることがあります。
これは、慣れ親しんだ「京間」の6畳(約10.9㎡)と、
東京で一般的な「江戸間」の6畳(約9.2㎡)の広さの違いが原因です。
このような認識のズレを防ぐために、最も確実な方法は一つです。
「畳」という言葉だけでなく、「平方メートル(㎡)」の表示を必ず確認しましょう。
最近の物件情報は、公正競争規約により「1畳=1.62㎡」を基準とした畳数と、
正確な平方メートル数が併記されていることがほとんどです。
もし畳数しか書かれていない場合は、不動産会社に
「専有面積は何平米ですか?」と問い合わせてみるのが確実です。
10平方メートル(約6畳)の広さを身近なものでイメージしよう

数字だけでは、リアルな広さを掴みづらいですよね。
ここでは、10平方メートルがどれくらいの広さなのか、
身近なもので例えてみましょう。
- 一般的なダブルベッド(約2.7㎡)を置くと
部屋の3分の1弱が埋まります。ベッドを置くと、残りのスペースは7㎡ほどです。 - 家庭用エレベーター(約3㎡)と比較すると
およそ3倍強の広さです。 - 公式サイズの卓球台(約4.2㎡)は
理論上は2台置けますが、人が動くスペースはほとんど残りません。
こうして見ると、10平方メートルは「一人暮らしで、
最低限の家具を置いてコンパクトに暮らす空間」
というイメージが湧いてくるのではないでしょうか。
10平米(約6畳)での一人暮らしは快適?メリット・デメリット
「約6畳での一人暮らしは快適に過ごせる?」という疑問にお答えします。
結論から言うと、「工夫次第で、十分に快適な生活は可能」です。
ただし、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
メリット
- 家賃が安い
専有面積が狭い分、同じエリアの広い部屋より家賃を抑えられます。 - 掃除が楽
部屋がコンパクトなので、掃除機がけや拭き掃除があっという間に終わります。 - 光熱費を節約
一部屋しかないのでエアコンの効きが良く、電気代を抑えられます。 - モノが増えない
収納スペースが限られるため、自然と持ち物を見直し、ミニマルな暮らしになります。
デメリット
- 収納が少ない
最大の課題です。収納付きベッドや壁面収納など、工夫しないとモノで溢れやすくなります。 - 家具配置の自由度が低い
ベッド、机、棚を置くと、ほぼレイアウトが固定されてしまいます。 - 友人を呼びにくい
一人なら快適でも、二人以上になると途端に手狭に感じます。 - 生活空間の切り替えが難しい
ワンルームの場合、食事、くつろぎ、就寝が同じ空間になるため、オンオフの切り替えが苦手な方はストレスを感じるかもしれません。
10平方メートルの物件探し!契約前に確認すべき注意点
魅力的な家賃の10平米物件。
しかし、契約前にチェックしないと後悔するポイントがいくつかあります。
プロの目線で、特に注意してほしい点を解説します。
「専有面積10㎡」の落とし穴!どこまで含まれる?
物件情報に記載されている「専有面積10㎡」。
この数字に何が含まれているか、正しく理解していますか?
- 玄関・廊下・キッチン・バス・トイレ
含まれます。特にワンルームの場合、これらすべてを含めて「10平米」です。
居室だけの広さではない点に注意してください。
専有面積10平米でも、バス・トイレが別で廊下が長いと、
居室は4畳半しかない…なんてこともあり得ます。 - ベランダ・バルコニー
含まれません。これらは「共用部分」扱いなので、専有面積にはカウントされません。 - ロフト
建築基準法上「小屋裏物置等」とされ、基本的には床面積に含まれません。 - しかし、サービススペースとしてアピールされていることが多いので、
- 広さは別に確認しましょう。
一番重要なのは、「居室(実際に生活するスペース)が何畳あるか」です。
デッドスペースの有無を内見でチェック!
図面では広く見えても、実際に見てみると使いにくい「デッドスペース」が多い物件があります。
内見では以下のポイントを必ず確認しましょう。
- 変な位置にある柱
部屋の真ん中や角に大きな柱が出っ張っていると、家具の配置が著しく制限されます。 - 窓や扉の可動域
クローゼットの扉が壁にぶつかって全開にできない、ベッドを置きたい場所に窓がある、などのケースは意外と多いです。 - コンセントの位置と数
生活動線をイメージし、使いたい場所にコンセントがあるか、数は十分かを確認しましょう。
内見には必ずメジャーを持参し、ベッドや冷蔵庫、
洗濯機など大型家具を置くスペースの寸法を測ることを強くお勧めします。
「10平方メートルは何畳」に関するよくある質問(FAQ)
最後に、読者の皆様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 10平米って何坪ですか?
A1. 約3.02坪です。 1坪は約3.31平方メートルなので、「10㎡ ÷ 3.31㎡/坪 ≒ 3.02坪」となります。「坪」は、畳数よりも土地や一戸建てなど、不動産売買の際によく使われる単位です。
1坪 ≒ 3.31㎡ ≒ 2畳
Q2. 10平米の部屋で二人暮らしはできますか?
A2. 正直なところ、かなり厳しいと言わざるを得ません。
物理的には可能ですが、プライベートな空間が全くなく、収納も不足するため、
お互いにとって大きなストレスになる可能性が高いです。
国土交通省の「住生活基本計画」では、
健康で文化的な住生活に必要不可欠な住宅の面積(最低居住面積水準)として、
二人暮らしには30㎡が示されています。
二人で暮らすなら、最低でも25㎡以上の1DKや1LDKを探すことをお勧めします。
参照:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準」
Q3. 平米数を自分で正確に測る方法はありますか?
A3. レーザー距離計を使うのが最も正確で簡単です。
数千円から購入でき、ボタン一つで瞬時に距離を測定できます。
もし持っていなければ、最低でも5m以上のメジャー(コンベックス)を持参しましょう。
部屋の縦と横の長さを測り、「縦の長さ(m)× 横の長さ(m)」で計算すれば、
おおよその平米数が分かります。
まとめ:10平方メートル(約6畳)を最大限に活かそう
今回は、「10平方メートルは何畳?」という疑問を入り口に、
広さの計算方法から地域による畳サイズの違い、物件探しの注意点まで解説しました。
10平方メートルは約6畳。決して広い空間ではありませんが、
それは「不便」とイコールではありません。
むしろ、自分の価値観を見つめ直し、工夫する楽しさを見出す絶好の機会です。
限られたスペースだからこそ、一つ一つのモノにこだわり、
自分の「好き」を詰め込んだ、ミニマルで機能的な城を築くことができます。
この記事で得た知識を武器に、ぜひあなたの理想の空間づくりに挑戦してみてください。
記事のまとめ
- 10平方メートル(㎡)は約6.17畳、不動産業界では「約6畳」と親しまれます。
- 畳サイズは地域差があり、京間・江戸間などで広さが異なります。
- 京間1畳=約1.82㎡、江戸間1畳=約1.62㎡、中京間1畳=約1.65㎡。
- 10平米は一人暮らしのワンルームや寝室に適した広さ。
- 物の「専有居住」は玄関・廊下・キッチン等も含まれる。
- バルコニーやロフトは専有居住者に含まれないのが一般的。
- 10平米の物件で快適に暮らすにはレイアウトと収納の工夫が重要です。
- 二人暮らしには狭いが、一人なら掃除が楽・家賃が安い。
- 畳数だけでなく、実際の面積(㎡)表示も必ず確認するべきです。
- 屋内見物時にはデッドスペースやコンセントの位置も忘れずチェック。
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