
観葉植物の植え替えに必要なものリスト一覧
観葉植物の植え替えと聞くと、少し難しそうに感じるかもしれません。しかし、ご安心ください。
事前にしっかり準備をすれば、作業は驚くほどスムーズに進みます。植え替えは、植物がこれからも元気に育つための大切な「お引越し」です。
観葉植物の植え替えに必要なものと、あると作業効率が格段にアップする便利アイテムを一覧でご紹介します。
必ず準備したい基本アイテム7つ
これさえあれば、観葉植物の植え替えは可能です。園芸店やホームセンターで手軽に揃えることができます。
新しい鉢
根が伸びるための新しい家です。植物が窮屈な環境から解放され、より大きく育つことができます。

観葉植物の土
植物の栄養源であり、体を支えるベッドのような役割を果たします。植物の種類に合った土を選ぶことが大切です。

鉢底石
鉢の底に敷き詰めることで水はけを良くし、根腐れを防ぎます。

鉢底ネット
鉢底の穴から土や鉢底石が流れ出るのを防ぐために使います。

スコップ/土入れ
手を汚さずに土を扱ったり、細かい作業をスムーズに行うために便利です。

ハサミ
傷んだ根や伸びすぎた葉を切り落とし、植物の健康を促進するために使用します。

ジョウロ
植え替え後、新しい土と根をなじませるための水やりに使います。

植え替えは植物が健康に育つために大切な作業です。
アイテムを準備して、あなたの観葉植物を元気に育てましょう。
あると作業が格段に楽になる便利アイテム4つ
必須ではありませんが、これらを用意しておくと、より快適で丁寧な作業ができます。
特に初心者の方におすすめです。
アイテム名 | なぜ必要か?(役割) |
---|---|
園芸用シート | 土で床やベランダが汚れるのを防ぎ、後片付けが圧倒的に楽になります。 |
割り箸/細い棒 | 鉢に土を入れる際、根の隙間まで土をいきわたらせるのに役立ちます。 |
手袋(グローブ) | 手の汚れやケガを防ぎ、土の中の虫が苦手な方も安心です。 |
霧吹き | 植え替え後のデリケートな植物に、優しく水分を与えるのに使えます。 |
観葉植物の植え替えに必要なもの!【どこで買う?】選び方のポイント
「観葉植物の植え替えに必要なもの」が分かったら、次はそれぞれの選び方が重要になります。
適切なアイテムを選ぶことが、植え替え成功への近道です。
ここでは、各アイテムの選び方のコツを詳しく解説します。
【基本用土】観葉植物の土の選び方
土は植物の生命線です。水はけが良く、通気性に優れ、適度な保水性がある土を選びましょう。
初心者におすすめ!「観葉植物用の土」
最も簡単で確実なのは、市販されている「観葉植物用の土」や「インドアグリーン用の土」を選ぶことです。

これらは、観葉植物の生育に最適なバランスで複数の用土がブレンドされており、
軽石やパーライトなどが配合されているため水はけも良好です。
袋を開けてそのまま使えるので、手間がかからず失敗がありません。
自分で配合する場合の基本(赤玉土・腐葉土など)
植え替えに慣れてきたり、特定の植物に合わせた土作りをしたい場合は、
自分で土をブレンドしてみるのも園芸の醍醐味です。基本的な配合例をご紹介します。
- 基本の配合例
赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂(またはパーライト)1 - 根腐れしやすい植物の場合
赤玉土7:腐葉土2:軽石1 のように、水はけを重視して配合比率を変えます。

古い土は使ってもいい?土の再利用について
一度使った土は、栄養分が失われているだけでなく、病原菌や害虫の卵が潜んでいる可能性があります。
基本的には新しい土を使うことを強く推奨します。
どうしても再利用したい場合は、黒いビニール袋に入れて天日で熱消毒したり、
土壌改良材を混ぜ込んだりする再生方法もありますが、手間とリスクを考えると、
特に初心者の方は新しい土を購入する方が安全で確実です。
観葉植物の植え替えで植物に合った鉢の選び方
鉢は植物のファッションであり、機能性を左右する重要な住まいです。
サイズは「一回り大きい」のが基本
現在の鉢から植物を抜いたとき、根が鉢の形に沿ってびっしりと回っている状態(根鉢)になっているはずです。
その根鉢よりも直径で3cm(1号)ほど大きいサイズが「一回り大きい鉢」の目安です。
大きすぎる鉢を選ぶと、土の量が多くなりすぎて水やりの際に過湿になりやすく、
根腐れの原因になるため注意が必要です。

素材別の特徴(素焼き鉢、陶器鉢、プラスチック鉢)
鉢の素材によって、通気性や保湿性、デザイン性が大きく異なります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、置く場所や植物の特性に合わせて選びましょう。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
素焼き鉢 | 通気性・排水性が抜群。根腐れしにくい。ナチュラルな風合い。 | 乾きやすいので水やりの頻度が上がる。重くて割れやすい。 |
陶器鉢 | デザイン性が高く、色の種類が豊富。高級感がある。 | 通気性が低い。重くて割れやすい。比較的高価。 |
プラスチック鉢 | 軽くて安価、割れにくい。保湿性が高い。 | 通気性が悪いので過湿になりやすい。安っぽく見えることも。 |
鉢底穴の有無は必ずチェック!
デザイン性の高い鉢カバーなどには、底に穴が開いていないものがあります。
植木鉢として使うには、必ず底に水はけ用の「鉢底穴」があるものを選んでください。
穴がないと、余分な水が排出されずに根が呼吸できなくなり、確実に根腐れを起こします。
【鉢底石・鉢底ネット】根腐れを防ぐ重要な役割
これらは地味な存在ですが、観葉植物を健康に保つための縁の下の力持ちです。
鉢底ネットを鉢底穴の上に敷き、その上に鉢底石を鉢の高さの5分の1程度敷き詰めます。
これにより、土の流出を防ぎ、鉢内の通気性と排水性を格段に向上させ、根腐れのリスクを大幅に減らします。

【スコップ・土入れ】手を汚さずスムーズに作業するコツ
大小のスコップがあると便利です。大きなスコップで袋から土を鉢へ移し、
小さなスコップ(または専用の土入れ)で株周りの細かい隙間に土を入れていくと、
作業が非常にスムーズに進みます。

【ハサミ】古い根や傷んだ葉を剪定するために
植え替えの際には、茶色く変色した古い根や、傷んで黒くなった根を切り落とす「根の整理」を行います。
切れ味の良い清潔なハサミを使うことで、根の切り口をきれいにし、病気の感染を防ぎます。

観葉植物の植え替えで100均でも揃う?代用できるアイテムと注意点
観葉植物の植え替えに必要なものの多くは、100円ショップでも手に入ります。
スコップ、園芸シート、鉢底ネットなどは100均のもので十分活用できます。

しかし、「土」と「ハサミ」については注意が必要です。
100均の土は品質にばらつきがある場合があるため、心配な方は園芸店の専用土をおすすめします。
ハサミも、切れ味が悪いと根の細胞を潰してしまい、かえって植物にダメージを与える可能性があるため、
切れ味の良いものを選びましょう。
観葉植物の植え替えに必要なもの!植え替えサインを見逃さないで!必要な時期とタイミング
植え替えは、植物にとって大きな環境の変化です。
適切なタイミングで行うことで、ダメージを最小限に抑え、その後の成長を力強くサポートできます。
最適な時期はいつ?春から初夏(5月~9月)がベスト
観葉植物の多くは、春から夏にかけて最も活発に成長する「成長期」を迎えます。
この5月~9月頃が植え替えのベストシーズンです。
なぜこの時期が良いのか?成長期との関係
成長期は、植物の生命力が最も高まる時期です。
植え替えによって根が多少傷ついても、すぐに新しい根を伸ばして回復しようとする力があります。
この回復力の高い時期に植え替えることで、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
避けるべき時期(真夏・冬)とその理由
- 真夏(猛暑日)
人間が夏バテするように、植物も猛暑で弱りがちです。この時期の植え替えは、株に大きな負担をかけてしまいます。 - 冬
多くの観葉植物は冬に成長が緩やかになる「休眠期」に入ります。この時期に植え替えると、受けたダメージを回復する力が弱く、そのまま枯れてしまう原因になります。
植え替えが必要な5つのサイン
植物は言葉を話せませんが、体で「お引越ししたい!」というサインを送っています。
以下のサインが見られたら、植え替えを検討しましょう。
鉢底から根が出ている

鉢の底穴から根がはみ出して見えるのは、鉢の中が根でいっぱいになっている証拠です。
これは最も分かりやすい植え替えのサインです。
水の染み込みが悪くなった(根詰まり)

水やりをした際に、水がなかなか土に染み込んでいかず、鉢の表面に溜まる時間が長くなったら「根詰まり」のサインです。
鉢の中が根でパンパンになり、水の通り道がなくなっている状態です。
葉が黄色くなる、元気がなくなる

水やりや日当たりに問題がないのに、下の方の葉から黄色く変色してきたり、
葉の色つやが悪くなったりするのは、根詰まりによって十分に水分や養分を吸収できていない可能性があります。
鉢に対して植物が大きくなりすぎた
見た目のバランスも重要です。植物が成長して、鉢が明らかに小さく見える「頭でっかち」な状態になったら、
安定性も悪くなりますし、根も窮屈になっています。
2年以上植え替えをしていない
目に見えるサインがなくても、同じ土に2年以上植えられていると、
土の栄養分はなくなり、物理性(団粒構造)も悪化しています。
定期的な健康診断と環境改善の意味で、1~2年に1回は植え替えを行うのが理想です。
【初心者でも簡単】観葉植物の植え替えのやり方を7ステップで徹底解説
観葉植物の植え替えに必要なものを揃え、タイミングを見計らったら、いよいよ実践です。
一つ一つの工程を丁寧に行えば、初心者でも決して難しくありません。
写真や図解を参考にしながら、焦らず進めましょう。
ステップ1:準備したものを揃える
まず、園芸シートなどを敷き、これまで紹介した「必要なもの」を全て手元に並べます。
作業を始めてから「あれがない!」と慌てないように、準備を万端に整えましょう。
ステップ2:新しい鉢の準備(鉢底ネットと鉢底石を入れる)
新しい鉢の底穴に鉢底ネットを敷きます。
その上に、鉢の高さの5分の1程度まで鉢底石を敷き詰めます。これで排水層は完成です。
ステップ3:元の鉢から観葉植物を優しく取り出す

植物の株元を持ち、鉢を傾けて側面を軽くトントンと叩くと、土と鉢の間に隙間ができて抜きやすくなります。
なかなか抜けない場合は、無理に引っ張らず、鉢の縁と土の間に割り箸などを差し込んで、
優しく剥がすように一周させると効果的です。
ステップ4:根の状態をチェックし、古い土と傷んだ根を取り除く
抜き取った根鉢(根と土が固まったもの)を観察します。
白く健康な根は残し、黒ずんだり、ブヨブヨしたりしている傷んだ根は、清潔なハサミで切り落とします。
根がガチガチに固まっている場合は、全体の3分の1程度を目安に、優しく手で揉みほぐし、古い土を落とします。

ステップ5:新しい鉢に土と植物を入れる
準備した新しい鉢に、鉢底石が隠れるくらいまで新しい土を入れます。
その上に植物を置き、高さや向きを調整します。
このとき、植物の植え付けの深さが、元の鉢で植わっていた高さと同じになるようにするのがポイントです(ウォータースペースを考慮)。
ステップ6:隙間なく土を入れ、株を安定させる

植物の位置が決まったら、鉢の縁から8〜9分目くらいまで、周りの隙間に新しい土を入れていきます。
割り箸などの細い棒で軽くつつきながら入れると、根の間に隙間なく土が入っていきます。
最後に、鉢を軽く持ち上げてトントンと地面に打ち付け、土をならして株を安定させます。
h3:ステップ7:たっぷりと水やりをする

最後の仕上げです。鉢底から水が流れ出てくるまで、ジョウロでたっぷりと水を与えます。
この最初の水やりには、土の中の細かいゴミを洗い流し、根と新しい土を密着させる重要な役割があります。
観葉植物の植え替えに必要なもの!植え替え後の管理方法!押さえておきたい3つのこと
植え替え直後の植物は、人間でいえば大手術を終えたばかりのデリケートな状態です。
その後の養生が、回復を左右します。
置き場所:直射日光を避けた明るい日陰で1〜2週間休ませる
植え替え後は、根がまだ新しい土に馴染んでおらず、水分を十分に吸い上げる力が弱まっています。
この状態で強い日差しに当てると、葉からの蒸散に給水が追いつかず、しおれてしまう原因になります。
まずはレースのカーテン越しのような、風通しの良い明るい日陰で静かに休ませてあげましょう。
水やり:土の表面が乾いたらあげるのが基本

植え替え直後にたっぷりと水やりをした後は、
土の表面がしっかりと乾いたのを確認してから次の水やりをします。
常に土が湿っている状態は、新しい根の伸長を妨げ、根腐れの原因になります。
少し乾かし気味に管理するのがコツです。
肥料:植え替え直後はNG!2週間〜1ヶ月後から与える
植え替え直後の弱った根に肥料を与えると、肥料の成分が負担となり、かえって根を傷めてしまいます(肥料焼け)。
肥料は、植物が新しい環境に慣れ、元気に新芽などを出し始める植え替え後2週間~1ヶ月が経過してから、
規定量より薄めた液体肥料などから与え始めましょう。
観葉植物の植え替えに必要なもの!植え替えに関するよくある質問(Q&A)
ここでは、観葉植物の植え替えに関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
Q1. 植え替え後の古い土や鉢はどう処分すればいい?
古い土の処分方法は、お住まいの自治体によってルールが異なります。
「自然物だから庭に撒いて良い」とは限らず、多くの自治体では「燃えないゴミ」や「回収不可」とされている場合があります。
必ず自治体のホームページ等で確認するか、引き取りサービスのある園芸店やホームセンターに相談しましょう。
Q2. 大きくしたくない場合の植え替え方法は?
これ以上株を大きくしたくない場合は、同じサイズの鉢に植え替える「植え直し」という方法があります。
鉢から株を取り出したら、根鉢を3分の1ほど崩し、古い根や伸びすぎた根をカットします。
同時に、地上部の枝や葉も少し剪定して全体のバランスを整えてから、新しい土で同じ鉢に植え付けます。
Q3. ハイドロカルチャー(水耕栽培)への植え替えに必要なものは?
土栽培からハイドロカルチャーへ植え替える場合、土を完全に洗い流す必要があります。
必要なものは、穴の開いていない容器、ハイドロボール(人工培土)、根腐れ防止剤(ゼオライトなど)、液体肥料です。
根を傷つけないように優しく土を洗い流し、容器に根腐れ防止剤、ハイドロボール、植物の順に入れて固定します。
Q4. 買ってきたばかりの観葉植物はすぐに植え替えるべき?
購入したばかりの植物は、生産農家からお店へ、そして自宅へと大きな環境の変化を経験しています。
すぐに植え替えると、さらなるストレスを与えることになります。
まずは最低でも2週間~1ヶ月は自宅の環境に慣らす期間を設けましょう。
その後、植物の状態を見て、必要であれば植え替えを検討します。
観葉植物の植え替え!まとめ
今回は、観葉植物の植え替えに必要なものから、具体的な手順、その後のケアまでを詳しく解説しました。
植え替えは、植物への愛情表現の一つです。
少し手間はかかりますが、適切なお手入れをすることで、
あなたの観葉植物はもっと生き生きと、美しい姿で成長してくれるはずです。
この記事をガイドに、ぜひ大切な植物の「お引越し」を成功させて、
緑豊かな心地よい暮らしを長く楽しんでください。
観葉植物の植え替えに必要なもの!まとめ
- 観葉植物の植え替えには、まず必要なものをリストで確認し準備することが大切。
- 基本アイテムは「新しい鉢」「土」「鉢底石」「鉢底ネット」「スコップ」「ハサミ」「ジョウロ」の7つ。
- あると便利なのは「園芸シート」「割り箸」「手袋」「霧吹き」。
- 土は初心者なら市販の「観葉植物用の土」が最も簡単で確実。
- 古い土は栄養不足や病原菌のリスクがあるため、新しい土の使用を推奨。
- 鉢のサイズは、元の鉢より一回り(直径3cm)大きいものを選ぶ。
- 鉢の素材は通気性の「素焼き」、デザイン性の「陶器」、手軽な「プラ鉢」など特徴で選ぶ。
- 必ず「鉢底穴」のある鉢を選ぶことが根腐れ防止の絶対条件。
- 100均でも多くの道具は揃うが、土とハサミは品質の良いものを選ぶと安心。
- 植え替えの最適な時期は、植物の成長期にあたる5月~9月。
- 真夏や冬の植え替えは、植物への負担が大きいため避けるべき。
- 「鉢底から根が出る」「水の染み込みが悪い」などは植え替えの重要なサイン。
- 植え替え手順は、準備→鉢の用意→株の取り出し→根の整理→植え付け→土入れ→水やり。
- 根をほぐす際は、全体の3分の1程度を目安に優しく行う。
- 新しい鉢に植える際は、元の鉢と同じ深さになるように高さを調整する。
- 植え替え後は、直射日光の当たらない明るい日陰で1~2週間休ませる。
- 植え替え後の水やりは、土の表面がしっかり乾いてから行う。
- 肥料は植え替え直後には与えず、2週間~1ヶ月後から始める。
- 古い土の処分は、自治体のルールを必ず確認すること。
- 正しい知識で植え替えを行えば、観葉植物はより元気に長く成長する。
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