
- 寸志封筒の正しい書き方がわかり、職場で恥をかかない
- 目上・目下の相手別の表書きの使い分けができるようになる
- 適切な封筒の選び方とペンの使い方をマスターできる
- 実際の失敗談から学べる実践的なノウハウを習得できる
- 金額の相場やタイミングなど総合的なマナーが身につく
- 現場で10年培った専門知識で自信を持って寸志を渡せる
【結論】寸志封筒の基本的な書き方
寸志封筒の書き方の基本は、上段中央に表書き、下段中央に名前を書くことです。

ただし、相手との関係性によって表書きが変わる点に注意が必要です。
私は冠婚葬祭業界で10年間働く中で、表書きの間違いで気まずい空気になった場面を何度も目撃してきました。
特に新人時代、上司への寸志に「寸志」と書いて「失礼だ」と指摘された苦い経験があります。
その経験から学んだポイントをお伝えします。
寸志封筒の表書きパターン別書き方
目上から目下へ渡す場合の表書き
あなたが上司や先輩の立場なら、「寸志」と書くのが正解です。
これは最も基本的な表書きで、部下や後輩への心付けを表します。
書き方のポイント:
- 封筒上段の中央に「寸志」と大きく書く
- 下段中央に自分の名前を書く
- 会社名を入れる場合は名前の右隣に小さく記載
目下から目上へ渡す場合の表書き
後輩や部下の立場なら「寸志」は使えません。
代わりに以下の表書きを使いましょう。
おすすめの表書き:
- 「御礼」:最も無難で使いやすい
- 「御挨拶」:転勤や異動の際に適している
- 「松の葉」:「松の葉に包む程度のわずかなもの」という謙遜表現
私の職場では「御礼」を使う人が8割以上でした。
迷ったら「御礼」を選んでおけば間違いありません。
同僚同士で渡す場合の表書き
同期や同僚への寸志では、「御礼」や「心ばかり」が適しています。
「寸志」は避けた方が無難です。
寸志封筒の選び方と基本マナー
使用しない方が良いのし袋
- 金額の大きい贈り物用の豪華な水引(金銀の水引など)
- 結婚式用の華やかな装飾のもの
- 「御祝」「御礼」などの格式高い表書きが印刷されているもの
- 結び切りの水引(結婚祝い用)
- 黒白の水引(弔事用)
- キャラクター柄の封筒
寸志に適したのし袋
- 白い封筒に赤白の蝶結び(花結び)の水引
- シンプルな水引のもの
- 表書きは「寸志」「心ばかり」「粗品」など
- 金額に見合った控えめなデザイン
寸志は「つまらないものですが」という謙遜の気持ちを表すものなので、
のし袋も謙虚で控えめなものを選ぶのがマナーです。
金額が少額の場合は、水引が印刷されているシンプルな封筒でも構いません。
筆記具の選び方
使うべき筆記具:
- 筆ペン(最も適している)
- サインペン(濃い色)
- 筆(濃墨)
避けるべき筆記具:
- ボールペン
- 万年筆
- 鉛筆
- 薄墨の筆ペン(弔事用のため)
私は新人の頃、手軽だからとボールペンで書いて「常識がない」と注意されました。
それ以来、必ず筆ペンを使うようにしています。
寸志封筒への名前の書き方
個人名の書き方
基本ルール:
- 表書きより小さめの文字で書く
- 封筒の下段中央に配置
- フルネームで記載するのが基本
会社名と個人名の併記
会社から寸志を出す場合:
- 個人名を中央に書く
- 会社名を名前の右側に小さく書く
- 「株式会社○○」のような正式名称を使用
記載例:
寸志
○○株式会社
田中太郎
複数名で寸志を出す場合
部署やグループ単位の場合:
- 「○○部一同」と書く
- 個人名は別紙にまとめてリスト化
- 代表者が受け渡しを行う
寸志の金額相場と入れ方
場面別金額相場
実際の職場での相場をご紹介します:
歓送迎会の場合:
- 部長クラス:5,000円~10,000円
- 課長クラス:3,000円~5,000円
- 一般社員:1,000円~3,000円
結婚式や披露宴スタッフへの心付け:
- ウェディングプランナー:3,000円~5,000円
- 司会者:3,000円~5,000円
- カメラマン:2,000円~3,000円
お札の入れ方マナー
正しいお札の入れ方:
- 新札を使用する
- お札の向きを揃える
- 人物が描かれた面を表にする
- 封筒を開けたとき、人物が最初に見える向きで入れる
私は過去に古いお札で寸志を包んで「お祝いなのに失礼だ」と言われた苦い経験があります。
それ以来、必ず銀行で新札に換えてから用意するようになりました。
寸志を渡すタイミングとマナー
歓迎会・送別会での渡し方
ベストタイミング:
- 乾杯前の挨拶時
- 会の序盤で司会者に渡す
- お酒が入る前に済ませる
理由は簡単です。
お酒が入ってからでは、封筒を紛失したり忘れられたりするリスクが高まるからです。
結婚式での心付けタイミング
各担当者別のタイミング:
- ウェディングプランナー:式開始前
- 司会者:リハーsal時または式開始前
- カメラマン:撮影開始前
- 美容師:ヘアメイク開始前
引越し業者への心付け
作業開始前ではなく、作業完了後に「お疲れ様でした」の言葉と一緒に渡すのがマナーです。
よくある間違いと注意点
立場を間違えた表書き
最も多い失敗が、部下が上司に「寸志」と書いて渡すケースです。
これは「上から目線」と受け取られ、非常に失礼にあたります。
金額を封筒に書く?書かない?
基本的に表面には金額を書きません。
中袋がある場合のみ、中袋の裏面に金額を記載します。
場面別寸志封筒の書き方実例
歓迎会での寸志封筒
新入社員を迎える部長の場合:
寸志
山田部長
転職で入社した中途社員の場合:
御礼
佐藤花子
結婚式での心付け封筒
ウェディングプランナーへ:
御礼
田中・鈴木両家
引越しでの心付け封筒
引越し業者への心付け:
御礼
高橋一郎
寸志でよくある質問(FAQ)
Q1. 寸志封筒に金額を書く必要はありますか?
A1. 表面には金額を書く必要はありません。
中袋がある場合は、中袋の裏面左下に「金○○円」と記載しますが、
小額の寸志では省略することが多いです。
Q2. コンビニで買った封筒でも大丈夫ですか?
A2. はい、問題ありません。
最近では100円ショップやコンビニでも「寸志」と印字された封筒が売られています。
ただし、白無地でも筆ペンで表書きをすれば十分マナーに適っています。
Q3. 寸志を断られた場合はどうすればいいですか?
A3. 相手が辞退した場合は無理に押し付けず、素直に引き下がりましょう。
「お気持ちだけで十分です」と言われたら、「ありがとうございます」と返すのが適切です。
Q4. 夫婦連名で寸志を出す場合の書き方は?
A4. 夫の名前を中央に、妻の名前を左隣に書きます。
または「田中夫妻」「田中・佐藤夫妻」のような書き方も可能です。
Q5. 寸志を渡すときに何と言えばいいですか?
A5. 「心ばかりの品ですが」「お疲れ様でした」「ありがとうございました」など、
感謝の気持ちを込めた言葉を添えましょう。
まとめ:寸志封筒マナーの重要ポイント
- 寸志封筒は相手との関係で表書きを使い分ける(目上→目下は「寸志」、目下→目上は「御礼」)
- 筆ペンまたは濃いサインペンで書き、ボールペンや万年筆は避ける
- 封筒は花結び水引付きか赤棒のし袋、白無地封筒を選ぶ
- 表書きは上段中央、名前は下段中央に配置する
- 新札を使用し、お札の向きを揃えて入れる
- 金額相場は立場と場面に応じて1,000円〜10,000円程度
- 渡すタイミングはお酒が入る前の会の序盤がベスト
- 複数名で出す場合は「○○一同」と記載し、個人名は別紙にまとめる
- 中袋がある場合のみ金額を記載し、表面には書かない
- 相手に断られた場合は無理に押し付けず素直に引き下がる
- 感謝の言葉を添えて丁寧に両手で渡す
- 事前準備を怠らず、当日慌てないよう封筒とお札を用意しておく
あなたも今日から自信を持って寸志を渡せるはずです。
マナーを守って、気持ちの良い人間関係を築いていきましょう。
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