
- イマーシブ・フォート東京は2026年2月28日に閉館、オープンから約2年での終了
- 約3万㎡の施設規模が過大で、想定した集客数を確保できなかったことが主因
- 2024年度55億円超、2025年度13億円超の純損失を計上する財務的苦境
- 2025年3月のリニューアル(1dayパス→個別チケット制)も集客回復に至らず
- インバウンド需要期にも関わらず、日本語中心の構造が外国人客取り込みを阻害
- パレットタウン跡地は再開発中、トヨタアリーナ東京が2025年10月既にオープン済
イマーシブ・フォート東京が2年で閉館
2024年3月1日に華々しくオープンした「イマーシブ・フォート東京」が、2026年2月28日をもって閉館することが発表されました。
世界初の完全没入型テーマパークとして期待を集めた施設が、わずか2年で幕を閉じることになります。
森岡毅氏率いる株式会社刀が手掛けた意欲的なプロジェクトでしたが、なぜ短期間で閉館に至ったのでしょうか。
なぜ閉館?3つの主な理由
1. 施設規模が過大だった
閉館の最大の理由は、約3万平方メートルという広大な施設規模に対して、十分な集客ができなかったことです。
当初の計画では、広い空間で短時間楽しむ「ライト層」が7割を占めると想定していました。
しかし実際には、長時間じっくり楽しむ「ディープ層」が大半を占める結果となり、施設の回転率が上がらず、広大なスペースを持て余す形となってしまいました。
2. リニューアルも集客回復に至らず
2025年3月1日には大規模なリニューアルを実施。
1dayパス制から個別チケット制に変更し、ディープ層に焦点を当てた戦略転換を図りました。
しかしこの方向転換も功を奏せず、投資回収の見込みが立たない状況に陥りました。
株式会社刀の決算では、2024年度に55億4600万円、2025年度に13億700万円もの純損失を計上。
森岡氏自身も「投資回収どころではない」と語っており、財務的に非常に厳しい状況だったことがわかります。
3. インバウンド需要を取り込めなかった
2024年から2025年にかけて、日本は歴史的なインバウンドブームを迎えていました。
しかしイマーシブ・フォート東京は演劇ベースのアトラクションが中心で、日本語が分からないと楽しめない構造だったため、外国人観光客の取り込みに失敗しました。
イマーシブ体験の難しさ
来場者の評価が真っ二つに分かれたことも特徴的でした。
完全に物語に没入できた人は高評価を付ける一方、世界観についていけなかった人は厳しい評価を下す傾向がありました。
特にディープ層向けにシフトした後は、人気アトラクション「江戸花魁奇譚」のチケットが1万4800円と高額になり、没入できなかった来場者の不満も大きくなりました。
閉館後の跡地はどうなる?
イマーシブ・フォート東京が入っていたのは、元ヴィーナスフォートの建物です。
現時点では閉館後の具体的な活用計画は明らかにされていません
パレットタウンエリア全体では大規模な再開発が進行中です。
トヨタアリーナ東京が既にオープン
パレットタウン跡地の一部、元MEGA WEB跡地には、約1万人を収容できる大型複合アリーナ「トヨタアリーナ東京(TOYOTA ARENA TOKYO)」が2025年10月3日に既にオープンしています。
Bリーグのアルバルク東京のホームアリーナとして、また各種スポーツイベントやコンサートの会場として活用されており、お台場エリアの新たなランドマークとして機能しています。
パレットタウン全体の再開発計画
パレットタウンエリアは、森ビルとトヨタ自動車による大規模な再開発計画が進められています。
スポーツ・エンターテインメント施設を中心とした新しい街づくりが目指されており、東京都の「東京ベイeSGプロジェクト」の一環として位置づけられています。
ヴィーナスフォート跡地(イマーシブ・フォート東京の建物)については、
森ビルが「新たな賑わいを創出するための開発計画を検討中」としていますが、
具体的な内容はまだ発表されていません。今後の動向に注目が集まります。
記事全体の要点まとめ
- イマーシブ・フォート東京は2024年3月1日オープン、2026年2月28日閉館予定で約2年の運営
- 世界初の完全没入型テーマパークとして、森岡毅氏率いる株式会社刀が手掛けたプロジェクト
- 約3万㎡の施設規模が過大で、想定した回転率・集客数を達成できなかった
- 短時間利用のライト層7割を想定も、実際は長時間利用のディープ層が大半を占めた
- 2024年度55億4600万円、2025年度13億700万円の純損失を計上し財務的に破綻状態
- 2025年3月に1dayパス制から個別チケット制へリニューアルするも効果なし
- 江戸花魁奇譚のチケットが1万4800円と高額化し、顧客満足度も二極化
- 日本語中心の演劇型アトラクションで、歴史的インバウンドブームの恩恵を受けられず
- パレットタウン跡地では森ビルとトヨタ自動車による大規模再開発が進行中
- トヨタアリーナ東京(約1万人収容)が2025年10月3日に既にオープン済み
- ヴィーナスフォート跡地(イマーシブ建物)の今後の計画は未発表
- 公式は「新たな場で皆様にお会いできることを願う」とイマーシブ体験の継続を示唆

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