
「サンスベリアを元気に育てたいけど、植え替えのときの深さってどれくらいがいいの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
サンスベリアは丈夫で育てやすい観葉植物ですが、植え替え時の深さを間違えると、
成長が悪くなったり、最悪の場合枯れてしまったりすることも。
この記事では、初心者の方にも分かりやすく、サンスベリアの植え替えの深さの結論から、
具体的な手順、さらには増やし方やよくあるトラブルの対処法まで、網羅的に解説します。
- サンスベリア植え替え時の最適な深さとは?
- サンスベリア植え替えの基本ステップ|深さを間違えないコツ
- サンスベリアの増やし方|植え替えついでに挑戦!
- 【トラブル】サンスベリアの葉が黄色くなる原因と対策
- サンスベリア植え替えの深さに関するよくある質問(Q&A)
【結論】サンスベリア植え替え時の最適な深さとは?
基本は「浅植え」!根が呼吸しやすい深さの目安
結論から言うと、サンスベリアの植え替えは「浅植え」が基本です。
具体的には、株元(葉が出ている根元の部分)が土に少し埋まるか、
地下茎(横に伸びる太い根のような部分)が隠れる程度の深さ(1cm程度)が理想的です。

サンスベリアの根は、土の中で呼吸をしています。
深く植えすぎると、根が酸素不足になりやすく、生育が悪くなる原因になります。
目安としては、元の鉢で植えられていた深さと同じか、
それよりもやや浅めを意識すると良いでしょう。
なぜ浅植えが良いの?深植えのリスクとデメリット
では、なぜ深植えは避けるべきなのでしょうか。
主なリスクとデメリットは以下の2点です。
根腐れの原因になる可能性
サンスベリアは乾燥に強い植物で、多湿を嫌います。
深く植えると、土の中の水分が乾きにくくなり、常に根が湿った状態に。
これが続くと、根が呼吸困難に陥り、腐ってしまう「根腐れ」を引き起こしやすくなります。
根腐れはサンスベリアにとって致命的なトラブルです。
新しい芽(子株)が出にくい
サンスベリアは、地下茎から新しい芽(子株)を出して増えていきます。
この地下茎が土の深くに埋まっていると、子株が土の表面に出てくるのが難しくなります。
浅植えにすることで、子株がスムーズに発生しやすくなり、より元気に株を増やすことができます。
植え替え後にグラグラする場合の深さ以外の対処法
「浅植えが良いのは分かったけど、グラグラして安定しないのでは?」と心配になるかもしれません。
植え替え直後は、まだ根が土に馴染んでいないため、多少グラつくことがあります。
この場合、無理に深く植え直すのではなく、以下の方法で対処しましょう。
- 軽く土を寄せて固める
株元に土を寄せ、手で軽く押さえて安定させます。強く押し固めすぎないように注意してください。 - 支柱を立てる
どうしても不安定な場合は、一時的に支柱を立てて支えてあげましょう。根が張ってくれば安定します。 - 数日は壁際などに置く
風で倒れたりしないよう、安定した場所に置きます。
植え替えに最適な時期とタイミングはいつ?
春か秋がベストシーズン
サンスベリアの植え替えに適した時期は、生育期にあたる春(5月~6月頃)か秋(9月~10月頃)です。
この時期は気候が安定しており、植え替えによるダメージからの回復も早いためです。
真夏や真冬の植え替えは、株への負担が大きいので避けましょう。
こんなサインが出たら植え替え時
一般的に1~2年に1回が目安ですが、以下のようなサインが見られたら植え替えのタイミングです。
サイン | 状態 |
---|---|
鉢底の穴から根が出ている | 鉢の中で根がパンパンになっている(根詰まり) |
水やりしてもすぐに土が乾く | 根が水を吸収しきれず、土の保水力も低下 |
鉢が窮屈そう、または鉢が割れている | 株が成長して鉢が小さくなった |
土の表面が固くなっている、水はけが悪い | 土が古くなり、劣化している |
2~3年以上植え替えていない | 土の栄養分が失われている可能性が高い |
事前準備:これだけは揃えたい道具と材料
植え替えをスムーズに行うために、事前に以下のものを準備しておきましょう。
道具・材料 | 選び方のポイント |
---|---|
新しい鉢 | 今の鉢より一回り大きいサイズ。通気性の良い素焼き鉢や、管理しやすいプラスチック鉢など。 |
用土 | 水はけの良い「観葉植物用の土」や「多肉植物用の土」。自分で配合してもOK。 |
鉢底石 | 水はけを良くするために鉢底に敷く石。軽石などが一般的。 |
鉢底ネット | 鉢底の穴から土や鉢底石が流れ出るのを防ぐネット。 |
手袋 | 手の汚れやケガを防ぐため。 |
新聞紙やシート | 作業スペースの汚れを防ぐため。 |
割り箸やピンセット | 細かい作業や根をほぐすのに便利。 |
清潔なハサミ | 傷んだ根を切る場合に備えて。 |
鉢の選び方(サイズ、素材)
鉢は、現在の鉢よりも直径で3cm(1号)程度大きいものを選びましょう。
大きすぎると土が乾きにくく、根腐れの原因になることがあります。
素材は、通気性と排水性に優れる「素焼き鉢」がおすすめですが、
軽くて扱いやすい「プラスチック鉢」でも問題ありません。
プラスチック鉢の場合は、特に水はけの良い土を使いましょう。
用土の選び方(観葉植物用、配合例)
サンスベリアは水はけの良い土を好みます。市販の「観葉植物用の土」や「多肉植物用の土」で十分です。
もし自分で配合する場合は、「赤玉土(小粒)6:腐葉土3:軽石(またはパーライト)1」などの割合がおすすめです。

その他必要なもの(鉢底石、鉢底ネットなど)
鉢底石は鉢の底に敷き、水はけを良くする役割があります。
鉢底ネットは、鉢底の穴から土が流れ出るのを防ぎます。
これらは園芸店やホームセンターで手軽に入手できます。

サンスベリアを鉢から取り出す際の注意点
- 作業前に水やりを控え、土を乾燥気味にしておくと、鉢から抜きやすくなります。
- 鉢の縁を軽く叩いたり、鉢と土の間に割り箸などを差し込んで隙間を作ったりすると、スムーズに取り出せます。
- 株元をしっかり持ち、ゆっくりと引き抜きます。無理に引っ張ると根が傷むので注意しましょう。
根の整理と古い土の処理方法
- 鉢から取り出したら、根鉢(根と土が固まったもの)の肩の部分の土を優しく落とします。
- 古い土を1/3~半分程度、手で揉むようにして落とします。根がびっしり張っている場合は、無理に全て落とす必要はありません。
- 黒ずんでブヨブヨした傷んだ根や、長すぎる根があれば、清潔なハサミで切り取ります。健康な白い根は残しましょう。
植え替え後の水やりと管理方法
植え替え直後の水やりは必要?
サンスベリアの場合、植え替え直後の水やりは基本的に不要、またはごく少量とします。
植え替えで傷ついた根が、すぐに多量の水分に触れると腐りやすくなるためです。
土が乾いている場合は、植え替えから3~7日後くらいに、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。
その後の水やりの頻度と置き場所
植え替え後は、明るい日陰で1週間~10日ほど管理し、株を休ませます(養生)。
その後は、徐々に通常の置き場所に戻しましょう。
水やりは、土の表面が完全に乾いてから数日後を目安に、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
特に冬場は乾燥気味に管理するのがコツです。
【関連】サンスベリアの増やし方|植え替えついでに挑戦!
植え替えは、サンスベリアを増やす絶好のチャンスでもあります。
主な増やし方は「株分け」と「葉挿し」です。
「株分け」で増やす方法(植え替えと同時がおすすめ)
株分けは、大きく育ったサンスベリアの株を文字通り分けて増やす方法です。
植え替えの際に一緒に行うと効率的です。
株分けの具体的な手順
- 植え替えのために鉢から取り出した株の、根や地下茎をよく観察します。
- 手で分けられる部分は優しく分け、繋がっている部分は清潔なハサミやナイフで切り分けます。
- 1つの株に、葉が2~3枚以上と、ある程度の根が付くように分けましょう。
- 切り口を数時間~1日程度乾燥させてから、それぞれ新しい鉢に植え付けます。植え付け方は、通常の植え替えと同様に浅植えです。

株分け後の管理と注意点
株分け後の管理は、植え替え後と同様です。
切り口から雑菌が入らないよう、植え付け直後の水やりは控えめにし、明るい日陰で養生させましょう。
「葉挿し(挿し木)」で増やす方法
葉挿しは、サンスベリアの葉を使って新しい株を作る方法です。
「サンセベリア 挿し木」としてもよく知られています。
サンセベリアの挿し木に適した葉の選び方
元気でハリがあり、病害虫のない健康な葉を選びます。
古すぎる葉や、逆に若すぎる葉は成功率が低いことがあります。
葉挿しの手順:カットから植え付けまで
- 選んだ葉を、清潔なハサミやナイフで1枚あたり5~10cm程度の長さにカットします。
- カットした葉の切り口を、風通しの良い日陰で数日~1週間ほど乾燥させます(カルス化)。この時、どちらが上か下か分からなくならないように注意しましょう。
- 乾燥させた葉の切り口(元々根元側だった方)を、水はけの良い土(赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトなど)に1/3~半分程度挿します。
- 複数の葉を挿す場合は、葉同士が触れない程度の間隔を空けましょう。


葉挿し成功のコツと発根までの管理
- 温度管理
20℃~25℃程度の暖かい場所で管理すると発根しやすくなります。 - 水やり
土が完全に乾いたら、霧吹きで軽く湿らせる程度にします。過湿は禁物です。 - 日当たり
明るい日陰に置きます。直射日光は避けましょう。 - 忍耐強く待つ
発根し、新しい芽が出てくるまでには数週間~数ヶ月かかることもあります。気長に待ちましょう。
葉挿しで使う土と鉢の深さについて
葉挿しに使う土は、清潔で水はけの良いものが適しています。
挿し木・種まき用の土や、赤玉土の小粒などが良いでしょう。
鉢は、深すぎるものは必要ありません。葉が倒れない程度の深さがあれば十分です。
サンスベリアの植え替えの深さの基本である浅植えの考え方は、
葉挿しで小さな芽が出てきた後の植え替えにも通じます。
【トラブル】サンスベリアの葉が黄色くなる原因と対策

大切に育てていても、葉が黄色くなってしまうことがあります。
主な原因と対策を表にまとめました。
水やりの問題
原因 | 症状の特徴 | 対策 |
---|---|---|
根腐れ(過湿) | 葉が根本から黄色~茶色に変色、ブヨブヨする、異臭 | 水やり頻度を減らす。傷んだ根を取り除き、新しい土に植え替える。 |
水切れ(乾燥) | 葉先から黄色~茶色に乾燥、葉が薄くなる、シワシワ | たっぷり水やりをする。土の乾燥具合をこまめにチェック。 |
日照条件
原因 | 症状の特徴 | 対策 |
---|---|---|
日光不足 | 全体的に葉の色が薄く黄色っぽくなる、徒長する | より明るい場所に移動する。ただし急な直射日光は避ける。 |
葉焼け(強すぎる日差し) | 葉の一部が白っぽく、または茶色く変色しカサカサ | 半日陰に移動する。レースカーテン越しの日光などが理想。 |
根詰まり
原因 | 症状の特徴 | 対策 |
---|---|---|
根詰まり | 下葉から黄色くなる、生育が悪い | 一回り大きな鉢に植え替える。 |
肥料の問題
原因 | 症状の特徴 | 対策 |
---|---|---|
肥料の与えすぎ | 葉先が枯れる、全体的に元気がなくなる | 肥料を控え、水やりで余分な肥料を流し出す。 |
肥料不足 | 葉の色が薄い、生育が極端に遅い(まれ) | 生育期に規定量の液体肥料などを与える。 |
病害虫の発生
原因 | 症状の特徴 | 対策 |
---|---|---|
病害虫の発生 | 葉に斑点、白い綿状のもの、ベタベタする | 特定の病害虫に応じた薬剤を使用する。早期発見・早期対処が重要。 |
植え替え直後のストレス
原因 | 症状の特徴 | 対策 |
---|---|---|
植え替え直後のストレス | 一時的に下葉が黄色くなることがある | 様子を見る。数週間で落ち着くことが多い。過度な水やりや肥料は避ける。 |
「サンスベリア 葉が黄色」で検索される方の多くは、水のやりすぎによる根腐れか、
逆に水切れが原因であることが多いです。土の状態をよく観察し、適切な水やりを心がけましょう。
サンスベリア植え替えの深さに関するよくある質問(Q&A)
最後に、サンスベリアの植え替えの深さについてよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 植え替え後、サンスベリアがぐらつきます。深さが足りないのでしょうか?
A. 植え替え直後は根が土に馴染んでいないため、多少ぐらつくことがあります。
サンスベリアの植え替えの深さが適切(浅植え)であれば、無理に深く植え直す必要はありません。
株元に土を寄せたり、一時的に支柱を立てたりして様子を見ましょう。数週間で根が張れば安定してきます。
Q. 深く植えすぎてしまった場合の応急処置はありますか?
A. 気づいた時点ですぐに対処しましょう。サンスベリアを一度優しく抜き取り、
鉢底の土の量を調整して、適切な浅植えになるように植え直してください。そ
のままにしておくと根腐れのリスクが高まります。
Q. 小さいサンスベリア(ミニサイズ)の植え替えの深さも同じで良いですか?
A. はい、小さいサンスベリアでも基本的な考え方は同じで、「浅植え」が適しています。
株の大きさに合わせて、株元が少し土に埋まる程度を目安にしてください。
Q. 植え替えで使った土は再利用できますか?
A. 古い土は栄養分が失われていたり、病害虫やその卵が潜んでいる可能性があるため、
基本的には新しい土を使うことをおすすめします。
もし再利用する場合は、日光消毒をしたり、土壌改良材を混ぜたりするなどの処理が必要です。
まとめ:適切な深さでサンスベリアを元気に育てよう!
今回は、サンスベリアの植え替えにおける「深さ」を中心に、
植え替えの全手順から増やし方、トラブルシューティングまで詳しく解説しました。
サンスベリアの植え替えの深さのポイントは「浅植え」です。
これを守ることで、根腐れを防ぎ、新しい子株も出やすくなり、サンスベリアは元気に育ってくれます。
この記事を参考に、ぜひサンスベリアの植え替えにチャレンジしてみてください。適
切な管理で、長く美しい姿を楽しんでくださいね!
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