
ここでは、畑の肥料のやり方について、詳しく解説していますので参考にしてみて下さい。
- 畑の肥料のやり方の基本
- 肥料の三要素について
- 肥料の種類について
- 追肥のタイミング
畑の肥料のやり方

野菜は根から土の中に含まれている養分(肥料分)を水といっしょに吸収して生育していきます。
この養分が不足すると野菜は満足に生育できず、目的とする収穫物が小さくなったり少なかったり、時には全く収穫できない状態になります。
野菜の体を作っていく元素は数多くありますが、この中で大量に必要な要素のうち土の中に不足しがちな要素は、チッソ(窒素)、リンサン(燐酸)、カリ(加里)の三つで、これを肥料の三要素と呼んでいます。
さらに、これにカルシウム(石灰)、マグネシウムを加えて五要素と呼んでいます。
- チッソ(窒素)
- リンサン(燐酸)
- カリ(加里)

このほか、鉄、マンガン、銅、ホウ 素、硫黄、モリブデン・・・・などは微量要素と呼ばれ、
土壌中に含まれている量で足りますので、肥料として与える必要はありません。
肥料の種類
- 無機質肥料
- 有機質肥料
- 複合肥料
- 液体肥料
肥料には次のような種類があります。
無機質肥料
化学的に合成されたり、天然の鉱物を利用して作られた肥料です。
有機質肥料
ナタネ油粕、大豆油粕、米糠や骨粉、乾燥鶏糞、乾燥牛糞など。
バーク堆肥などもこれにはいりますが、 含まれている成分が少ないので肥料としてより、
土壌改良用と考えた方が良いでしょう。
複合肥料
無機質肥料と有機質肥料を混ぜ合わせて作られた肥料で、両者の特長を持っています。
液体肥料
水に溶かして与えるもので、早く肥効があらわれます。
畑の肥料のやり方の基本
一口に野菜といっても、私たちが利用する部分は、葉や茎であったり、根であったり、実であったりといろいろです。

野菜にとって肥料は人間の食べ物にあたります。
肥料分が不足しても枯れることはありませんが、 多すぎると枯れてしまう場合もあります。
肥料に含まれている成分や種類、効き方が早いか遅いかなどをよく考えて、バランスよく施すことがたいせつです。
化成肥料を施す場合は、含有成分の高いもの(高度化成)より、低いもの(低度化成)を利用した方が失敗がありません。
全面肥料
畝をする前に、化成肥料などを全面に混ぜる
(栽培期間の短いホーレンソー、コマツナ、キュウリ、大根、ニンジン、カブなど)
作条施肥(溝施肥)
種や苗の真下に化成肥料などを入れる
(栽培期間の長いトマト、ナス、ピーマン、キャベツ、白菜など)
葉もの野菜の肥料
葉もの野菜は生育期間が短いこと、葉や茎を大きく育てることが必要ですから、効き方の早い肥料がよく、特にチッソ質肥料を重点に、元肥主体に施します。

実もの野菜の肥料
実もの野菜は生育期間が長く、また次から次へと収穫を続けますから、体をつくるためのチッソ質肥料はいつも必要ですが、生育の前半にチッソを多く与えすぎると、「つるボケ、樹ボケ」といって、葉ばかり繁って実のなりが悪くなったり、貧弱な実しかつかなくなります。
実をならせるには、三要素のうち特にリンサンが必要で、次いでカリもたいせつです。
元肥にリンサン質肥料と緩効性肥料を施し、生育途中に肥料切れしないよう、チッソとカリを追肥します。

根もの野菜の肥料
根を利用する野菜には、三要素のうち特にカリが必要です。
一般に生育期間が長いので、元肥に緩効性肥料とカリ質肥料を施します。
なおダイコン、カブは生育期間が短く、チッソ分もかなり必要です。
生育途中に速効性のチッソとカリ質肥料を追肥します。

元肥
- 全面施肥
- 溝施肥
種子をまいたり、苗を植えつける前に施す肥料を元肥といいます。
元肥は発芽または活着後すぐに肥料が吸収できるよう早めに施しておくのがよく、
また追肥では施せない下層の深い場所へ施しておきます。
苦土石灰を施して酸性土を改良した後、堆肥や腐葉土、ピートモスなどの有機質を多めに施して、
深く耕やしておけば、土壌の排水、保水、通気性がよくなり、根が張りやすくなります。
この時、いっしょに化成肥料、緩効性肥料、油粕、乾燥鶏糞などの肥料を、栽培する野菜の性質に応じて施します。
大根などの根もの野菜の元肥は真下に入れない事。(また根になります)

全面施肥
菜園の全面に元肥を施してよく耕やし、うねや床を作って種子をまいたり、苗を植えつけたりしま す。
作条施肥(溝施肥)
種子や苗を植える真下か脇に深い溝を掘って、 ここに元肥を施して土とよく混ぜたり、上に土をかけてから、種子まきや植えつけをします。
追肥
野菜が大きくなるに従って肥料を吸収する量も多くなります。元肥に施した肥料は雨や灌水などによって流亡したりし不足します。
特に生育期間の長い実もの野菜などは、生育途中に肥料切れとならないように、何回か追肥することが必要です。
追肥は根の伸びていく先端付近に施すのがよく、速効性の肥料を用います。
一般に第一回の追肥は、一回目の間引きの後とか植えつけた苗が活着した頃に施します。 実もの野菜では収穫した後に施します。

追肥のタイミング
- 植え付け後、2~3週間後
- 生育期間中、定期的に(2週間~1ヶ月に1回程度)
- 野菜の生育状況を見て判断(葉の色が薄くなったり、生育が鈍くなった場合など)
- 野菜の種類によって追肥のタイミングは異なります。以下に代表的な野菜の追肥タイミングを記載します。
- 葉菜類(キャベツ、ホウレンソウなど):生育初期と生育中期に追肥(追肥は省略する場合が多い)
- 果菜類(トマト、キュウリなど):開花後と収穫開始後に追肥
- 根菜類(ダイコン、ニンジンなど):生育中期に追肥
追肥の種類
- 速効性肥料:効果が早く現れるが、持続期間が短い
- 緩効性肥料:効果がゆっくり現れるが、持続期間が長い
- 液肥:水で薄めて使用する肥料で、速効性がある
畑の肥料のやり方のまとめ
- 肥料の三要素はチッソ(窒素)、リンサン(燐酸)、カリ(加里)の三つ
- 肥料の種類は、無機質肥料・有機質肥料・複合肥料・液体肥料
- 全面肥料とは、畝をする前に、化成肥料などを全面に混ぜる
- 作条施肥(溝施肥)とは、種や苗の真下に化成肥料などを入れる
- 生育途中に肥料切れとならないように何回か追肥をする
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